育児休業給付金の計算シミュレーター(夫婦合算・手取り比較つき)
育児休業給付金に加えて、2025年4月に新設された出生後休業支援給付金(13%上乗せ)にも対応。 夫婦それぞれの取得日数を入れると世帯でいくら受け取れるか、そして育休中の手取りが育休前の何割になるかまでわかります。
あなた(主に取得する方)
配偶者
世帯の受給総額 246.6万円
育休中の手取りは本当に「10割」になるのか
育児休業給付金は非課税で、育休中は社会保険料も免除されます。 そのため額面の67%(出生後休業支援給付金と合わせて80%)でも、 手取りベースでは育休前とほぼ変わらない水準になります。 あなたの入力での比較は次のとおりです。
| 育休前(月額) | 育休中(月額) | |
|---|---|---|
| 額面/給付額 | 300,000円 | 240,000円 |
| 社会保険料 | −44,100円 | 0円(免除) |
| 所得税・住民税 | −16,461円 | 0円(非課税) |
| 手取り | 239,438円 | 240,000円 |
手取り率は 約100% です。 ※ 社会保険料・税額は概算です(社会保険料率14.7%で計算)。 住民税は前年所得に対して課されるため、育休中も前年分の支払いが残る点にご注意ください。
育児休業給付金の計算方法
支給額は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 給付率」で決まります。 休業開始時賃金日額は、育休開始前6ヶ月の賃金総額(賞与を除く)を180で割った金額です。 給付率は育休開始から180日目までが67%、181日目以降は50%です。
ただし休業開始時賃金月額には上限があり、令和8年8月1日以降は496,200円です。 このため、支給額の上限は67%期間で月額332,454円、50%期間で248,100円となります。
出生後休業支援給付金(2025年4月新設)
子の出生直後に両親がともに育児休業を取得した場合、 育児休業給付金に13%が上乗せされる制度です。合計すると80%になります。 最大28日分が支給されます。
支給の要件
- 被保険者本人が、子の出生後8週間以内(母は産後休業後8週間以内)に14日以上の育児休業を取得すること
- 配偶者も同期間に14日以上の育児休業を取得すること
- 配偶者が育休を取得できない事情がある場合(ひとり親、配偶者が就業していない等)は、配偶者の取得要件は免除されます
この「配偶者14日以上」という要件が見落とされがちです。 本ツールでは、配偶者の取得日数が13日以下の場合にあと何日増やせば世帯でいくら増えるかを自動で表示します。
月給別の早見表
育休前6ヶ月の平均月給(賞与を除く額面)ごとに、 いくら受け取れて、それが育休前の手取りの何割にあたるかをまとめました。 手入力の表ではなく、上のシミュレーターと同じ計算エンジンから生成しています。
| 育休前の月給 | 育休前の手取り | 80%期間 最大28日 | 67%期間 〜180日目 | 50%期間 181日目〜 | 1年間の総額 | 年間の手取り率 働いた場合との比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 200,000円 | 162,491円 | 159,984円 98% | 134,000円 82% | 100,000円 62% | 1,444,932円 | 74% |
| 250,000円 | 200,965円 | 199,992円 100% | 167,500円 83% | 125,000円 62% | 1,806,166円 | 75% |
| 300,000円 | 239,438円 | 240,000円 100% | 201,000円 84% | 150,000円 63% | 2,167,400円 | 75% |
| 350,000円 | 277,157円 | 279,984円 101% | 234,500円 85% | 175,000円 63% | 2,528,632円 | 76% |
| 400,000円 | 314,875円 | 319,992円 102% | 268,000円 85% | 200,000円 64% | 2,889,866円 | 76% |
| 450,000円 | 352,184円 | 360,000円 102% | 301,500円 86% | 225,000円 64% | 3,251,100円 | 77% |
| 500,000円上限に到達 | 388,235円 | 396,960円 102% | 332,454円 86% | 248,100円 64% | 3,584,879円 | 77% |
| 600,000円上限に到達 | 453,188円 | 396,960円 88% | 332,454円 73% | 248,100円 55% | 3,584,879円 | 66% |
「手取り10割」は最初の28日だけの話です
育児休業給付金は非課税です。さらに育休期間中は健康保険料・厚生年金保険料が免除されます(申出が必要)。 一方、働いているときの給与からは社会保険料が約15%、 さらに所得税・住民税が差し引かれています。 このため額面の80%の給付でも、手取りベースでは育休前とほぼ同水準になります。 これが「育休中は実質10割もらえる」と言われる理由で、計算としては正しいものです。
問題は、その80%が最大28日分しかないことです。 上乗せしているのは出生後休業支援給付金で、支給日数の上限が28日と決まっています。 それ以降は67%に戻り、181日目からは50%になります。 上の表のとおり、月給300,000円の方なら 80%期間は手取りの100%ですが、 67%期間は84%、50%期間は63%です。
1年間の育休で受け取る総額は2,167,400円。 働いていた場合の手取り年収と比べると75%です。 「10割もらえるから安心」という前提で家計を組むと、 後半で足りなくなります。実際に必要なのは、 手取りが6割まで落ちる181日目以降に備えることです。
月給が500,000円を超えると、 休業開始時賃金月額の上限(496,200円)に当たります。 上限に達すると月給が増えても給付は増えないため、手取り率だけが下がります。 月給600,000円の方の年間の手取り率は66%まで落ちます。
育休中も住民税の支払いは続きます
給付金が非課税で社会保険料も免除される一方、住民税だけは別です。 前年の所得に対して課されるため、育休に入っても支払いが続きます。 金額は月給300,000円の方でおよそ月12,756円、 月給500,000円なら月25,816円です。
給与天引きができなくなるので、勤務先が育休前の給与から一括で徴収するか、 市区町村から納付書が届いて自分で納めるかのどちらかになります。育休に入る前に、勤務先にどちらの扱いになるかを聞いておいてください。一括徴収だと最後の給与が思ったより少なくなり、 納付書だと収入が減っている時期に数万円の請求が来ます。 どちらにしても、知らないと驚く金額です。
育児時短就業給付金(2025年4月新設)
育休から復帰した後、2歳未満の子を養育するために時短勤務をする場合、 時短勤務中の各月の賃金額の10%が支給される制度です。 令和8年8月1日以降の限度額は月額484,121円(給付額の上限は48,412円)です。 時短によって減った収入の一部を補う仕組みで、最長で子が2歳になるまで受けられます。
よくある質問
育休中は本当に手取り10割もらえますか?
10割になるのは最大28日間だけです。育児休業給付金は67%ですが、出生後休業支援給付金の13%が上乗せされる期間は80%になります。給付金は非課税で社会保険料も免除されるため、この80%の期間は育休前の手取りとほぼ同じ、月給によっては少し多くなります。ただし出生後休業支援給付金は最大28日分しか出ません。それ以降は67%に戻り、手取りベースで8割台。181日目からは50%になり、手取りの6割台まで落ちます。1年間の育休で受け取る総額は、働いていた場合の手取り年収のおよそ75%です。「手取り10割」という説明は最初のひと月だけの話だと理解してください。
育休中に払わなければならないお金はありますか?
住民税です。育児休業給付金は非課税で、健康保険料と厚生年金保険料は申出により免除されますが、住民税だけは前年の所得に対して課されるため支払いが続きます。月給30万円の方でおよそ月12,700円、月給50万円なら月25,800円ほどです。給与天引きができなくなるので、勤務先が一括で徴収するか、市区町村から納付書が届いて自分で納めることになります。育休に入る前に、勤務先にどちらの扱いになるかを確認しておくと慌てずに済みます。
月給がいくら以上だと上限に当たりますか?
休業開始時賃金月額の上限は、令和8年8月1日以降は496,200円です。育休前6ヶ月の平均月給がこれを超える方は、超えた分が給付に反映されません。上限に当たると、67%期間の月額は332,454円、50%期間は248,100円で頭打ちになります。月給50万円の方と月給60万円の方は、受け取る金額が同じです。月給が高い方ほど手取り率は下がり、月給60万円なら1年間の総額は働いた場合の手取り年収の66%程度になります。この上限は毎年8月1日に改定されます。
出生後休業支援給付金の要件を教えてください。
3つあります。(1) 本人が子の出生後8週間以内(母は産後休業後8週間以内)に14日以上の育児休業を取得すること、(2) 配偶者も同じ期間に14日以上の育児休業を取得すること、(3) 支給日数は最大28日分。この「配偶者も14日以上」という条件がいちばん見落とされます。夫が1週間だけ育休を取ったというケースでは、妻の分も含めて上乗せが受けられません。なお、ひとり親の方や配偶者が就業していない場合など、配偶者が育休を取得できない事情があるときは、この要件は免除されます。上のシミュレーターは、配偶者の取得日数が13日以下のときに、あと何日増やせば世帯でいくら増えるかを表示します。
賞与は計算に含まれますか?
含まれません。休業開始時賃金日額は、育休開始前6ヶ月の賃金総額を180で割って求めますが、この賃金総額に賞与は入りません。毎月支払われる賃金だけが対象です。このため、年収に占める賞与の割合が高い方ほど、給付額は年収から想像するより少なくなります。逆に、育休中も賞与が支給される会社であれば、その分は給付とは別に受け取れます(ただし社会保険料の免除には別の条件があります)。
育休を延長した場合はどうなりますか?
保育所に入所できないなどの理由があれば、最長で子が2歳になるまで延長できます。給付率は50%のままです。ただし2025年4月から延長の手続きが厳格化されました。市区町村が発行する入所保留通知書に加えて、速やかな職場復帰の意思を確認する書類の提出が必要になり、「延長目的で入所倍率の高い保育所だけを申し込む」ケースは認められにくくなっています。申込先の選び方まで見られるようになったので、延長を前提にする場合は早めに条件を確認してください。
育休中に少しだけ働くことはできますか?
できます。支給単位期間(1ヶ月)ごとの就業日数が10日以下であれば支給されます。10日を超える場合でも、就業時間が80時間以下なら支給の対象です。ただし就業して受け取った賃金が休業開始時賃金月額の80%以上になると、給付金は支給されません。13%上乗せのある期間は給付だけで80%に達しているため、少しでも働くと調整が入る可能性があります。働く予定がある場合は、事前にハローワークか勤務先に確認してください。
復帰後に時短勤務をすると、何か給付はありますか?
育児時短就業給付金があります。2025年4月に新設された制度で、2歳未満の子を養育するために時短勤務をする場合、時短勤務中の各月の賃金額の10%が支給されます。令和8年8月1日以降の限度額は月額484,121円で、給付額の上限は48,412円です。時短で減った収入の一部を補う仕組みで、最長で子が2歳になるまで受けられます。育児休業給付金とは別の制度なので、育休から復帰したあとに改めて手続きが必要です。
夫婦のどちらが長く取ると得ですか?
給付額だけで見れば、月給が高いほうが長く取ったほうが世帯の受取額は大きくなります。ただし上限があるため、月給が上限(496,200円)を超えている方は、長く取っても増え方が鈍ります。上限を超えている側は短めに、超えていない側を長めにしたほうが世帯合計は増えることがあります。ひとつ確実なのは、出生後休業支援給付金の28日分は夫婦それぞれに出るということです。二人とも14日以上取れば、世帯で2人分の13%上乗せが受けられます。上のシミュレーターで夫婦それぞれの日数を入れて比べてみてください。
出典・根拠
最終更新:2026年9月13日/本ページの計算結果は概算です。 実際の支給額はハローワークの決定によります。
育児休業給付金・出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金の申請ガイド
計算して金額が分かっても、出す場所と期限を間違えると受け取れません。 ここは一次資料で確認した手続きの実務だけをまとめています。
① どこに出すか
事業所の所在地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)
電子申請もできます。相談は育児休業等給付コールセンター(0570-200-406)でも受け付けています。
誰が出すか:原則として事業主が提出しますが、本人の希望があれば本人が直接提出することもできます。
② 何を持っていくか
育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 払渡希望金融機関指定・変更届
- 賃金台帳、出勤簿・タイムカード
- 育児休業申出書、育児休業取扱通知書
- 母子健康手帳(出産日と親子関係の確認)
出生後休業支援給付金で配偶者が雇用保険の被保険者でない場合は、課税(非課税)証明書などの提出が必要です。令和8年8月1日から、配偶者の確認書類として母子健康手帳の写し(出生済証明のページ)が使えるようになりました。
③ いつまでに出すか
育児休業給付金の初回は、育児休業開始日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日まで。2回目以降は原則2か月に一度です。出生時育児休業給付金は、子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日までです。
2年(雇用保険法第74条)。時効の終点は支給単位期間の末日の翌日から2年です。申請期限を過ぎても2年の時効内なら申請できますが、時効は支給単位期間ごとに進むため、古い期間から順に消えていきます。
1歳6か月・2歳への延長の手続きは、延長する期間の直前の支給単位期間の支給申請時などに行います。
④ 申請から入金まで
支給決定後おおむね1週間で振り込まれます。初回が遅くなるのは、受給資格の確認(休業開始時賃金月額証明書の提出と賃金月額の登録)を伴うこと、最初の支給単位期間の末日が過ぎないと申請できないこと、申請期限が4か月と長く事業主の提出時期に左右されることによります。受給資格の確認申請と初回の支給申請は、同時に行うことも別々に行うこともできます。
よくある間違い
| 育休の延長が認められない | 2025年4月から厳しくなりました。入所保留通知書だけでは足りず、保育所等の利用申込みが「速やかな職場復帰のために行われたもの」と認められる必要があります。延長事由認定申告書・利用申込書の写し・利用ができない旨の通知の3点が必要で、申込時期や希望園の範囲によっては認められません。 |
|---|---|
| 会社が手続きしてくれない | 事業主経由は「原則」にすぎません。本人の希望があれば本人が直接ハローワークに提出できます。育児休業等給付コールセンター(0570-200-406)でも相談できます。 |
| 出生後休業支援給付金を申請し忘れる | 2025年4月に新設された13%上乗せの給付です。育児休業給付金と一体で申請するのが原則ですが、初回の育児休業給付金の支給決定後に単独で申請することもできます。配偶者が雇用保険の被保険者でない場合の証明書類を忘れやすい点に注意してください。 |
| 令和8年8月1日の変更を知らずに旧運用で出す | 出生時育児休業給付金の賃金の申告基準が「出生時育児休業期間を対象として支払われた賃金」から「出生時育児休業期間中に支払日のある賃金」に変わりました。 |
受けられなかったときに代わりに使える制度
- 育児時短就業給付金 2歳未満の子を養育するために時短勤務をして賃金が下がった場合、賃金の最大10%が支給されます。申請先は同じく事業所所在地を管轄するハローワークで、各支給対象月の初日から4か月以内です。
- 出産手当金 産前42日(多胎98日)から産後56日までは健康保険の出産手当金の対象で、育児休業給付金はその後の期間が対象です。
- 産休・育休中の社会保険料免除 産前産後休業と育児休業の期間中は健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。給付金が非課税であることと合わせて、手取りベースでの目減りは額面ほど大きくありません。
出典(2026/09/02確認):育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)/令和8年8月1日から育児休業等給付の申請手続きを見直します(厚生労働省)/育児休業給付金の支給対象期間延長手続き(厚生労働省)/Q&A~育児休業等給付~(厚生労働省)