障害年金の計算シミュレーター

執筆:元取締役の総務担当最終更新:2026年8月22日

病気やケガで生活や仕事が制限されるようになったときに受け取れる障害基礎年金・障害厚生年金を、等級別に計算します。 がん・糖尿病・うつ病などの内部疾患・精神疾患も対象になる、 意外と知られていない制度です。

令和8年度(2026年4月改定)の年金額に対応
15年0ヶ月。300月未満は300月とみなして計算されます

年額 142.3万円(月額 約118,567円)

障害基礎年金84.7万円
子の加算—
障害厚生年金57.6万円
配偶者加給—

厚生年金の加入月数が300月未満のため、300月とみなして計算しています

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障害年金は2階建て

初診日にどの年金制度に加入していたかで受け取れる年金が決まります。

  • 障害基礎年金(1級・2級のみ):国民年金の加入者、20歳前に初診日がある方など。 自営業・学生・専業主婦(夫)はこちらだけです
  • 障害厚生年金(1級・2級・3級):初診日に会社員・公務員だった方。 1級・2級なら障害基礎年金もあわせて受け取れます

「初診日」とは、その障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日です。転職前の在職中に初診日があれば、 退職後に障害が重くなっても障害厚生年金の対象になります。 この日をいつと認定されるかで金額が大きく変わるため、 古い受診記録も大切に保管してください。

令和8年度の金額

内訳年額(67歳以下の方)
障害基礎年金 1級1,059,125円(2級の1.25倍)
障害基礎年金 2級847,300円
子の加算(1人目・2人目)各 243,800円
子の加算(3人目以降)各 81,300円
障害厚生年金 1級報酬比例 × 1.25 + 配偶者加給
障害厚生年金 2級報酬比例 + 配偶者加給
障害厚生年金 3級報酬比例(最低保障 635,500円)
配偶者加給年金額243,800円(1級・2級のみ)

※ 昭和31年4月1日以前生まれ(既裁定者)の方は基礎年金の額がわずかに異なります(2級 844,900円)。

報酬比例部分は老齢厚生年金と同じ式(平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数。 平成15年3月以前の期間は 7.125/1000)で計算します。 加入月数が300月(25年)に満たない場合は300月とみなして計算されるため、 若くして障害を負った方でも一定の水準が保たれます。

3級と障害手当金(厚生年金だけの保障)

3級(労働が著しく制限される程度)と障害手当金(一時金・報酬比例の2倍、 最低保障1,271,000円)は障害厚生年金にしかありません。 初診日に国民年金だけだった場合、2級に該当しなければ年金はゼロになります。 会社員と自営業で保障の厚さが大きく違う部分です。

受給には保険料の納付要件があります

初診日の前々月までの加入期間のうち、保険料の納付済期間と免除期間が3分の2以上あることが必要です。 これを満たさない場合でも、直近1年間に未納がなければ受給できる特例があり、 この特例は2025年の年金制度改正で令和18年(2036年)3月末まで延長されました。

重要なのは、未納のまま初診日を迎えると、後から納めても対象にならないことです。 保険料が払えないときは未納のまま放置せず、必ず免除・納付猶予の申請をしてください。 免除期間は納付要件にカウントされます。

傷病手当金からの接続

会社員が病気で働けなくなった場合の所得保障は、時系列でこう繋がります。

期間制度水準
最初の1年6ヶ月傷病手当金(健康保険)給与の約2/3
初診日から1年6ヶ月以降障害年金等級・加入歴による

障害年金の請求は原則として初診日から1年6ヶ月経過後(障害認定日)からできます。 傷病手当金の支給期間が終わる時期とちょうど重なるため、 長引きそうな傷病では、傷病手当金を受けている間に 障害年金の準備(初診日の証明集めなど)を始めるのが理想です。 なお両方を同時に受けられる場合、傷病手当金は障害厚生年金の分だけ調整されます。

よくある質問

うつ病や発達障害でも対象になりますか

対象になります。精神疾患は障害年金の受給理由として最も多い区分の一つです。 日常生活への支障の程度が診断書で評価されます。

働きながらでも受け取れますか

受け取れます。障害年金に所得制限はありません(20歳前傷病による障害基礎年金のみ、 前年所得3,761,000円超で半額停止・4,794,000円超で全額停止の所得制限があります)。 ただし精神疾患では就労状況が等級判定の考慮要素になることがあります。

手続きはどこでしますか

年金事務所(障害基礎年金のみの方は市区町村の窓口でも可)です。 必要書類が多く認定まで3ヶ月以上かかるのが通常なので、早めの相談をお勧めします。 複雑なケースでは障害年金を専門とする社会保険労務士に依頼する選択肢もあります。

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出典・根拠

最終更新:2026年8月22日/本ページの計算結果は概算です。 等級の認定・実際の年金額は日本年金機構の決定によります。

障害基礎年金・障害厚生年金の申請ガイド

計算して金額が分かっても、出す場所と期限を間違えると受け取れません。 ここは一次資料で確認した手続きの実務だけをまとめています。

① どこに出すか

年金事務所または街角の年金相談センター

窓口は初診日にどの制度に加入していたかで決まります。国民年金第1号被保険者期間中、または20歳前・60〜65歳の未加入期間に初診日があるなら市区町村役場です。第3号被保険者期間中なら年金事務所、厚生年金の被保険者期間中なら年金事務所です。

誰が出すか:本人(または代理の方)が請求します。

② 何を持っていくか

年金請求書(国民年金・厚生年金保険障害給付)/障害基礎年金のみの場合は年金請求書(国民年金障害基礎年金)(様式第104号(障害厚生)/様式第107号(障害基礎))

  • 医師の診断書(障害の部位・種類ごとに8種類。障害認定日より3か月以内の現症のもの)
  • 受診状況等証明書(初診時と診断書作成時の医療機関が違う場合)
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 戸籍謄本・住民票など(マイナンバー登録済みなら省略可)
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)

配偶者や18歳到達年度末までの子がいる場合は、その収入確認書類も必要です。

③ いつまでに出すか

障害認定日による請求では、さかのぼって受け取れるのは最大5年分です。事後重症による請求は請求日の翌月分からで遡及はなく、請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。

権利の発生から5年です。

「65歳の誕生日の前々日まで」であって誕生日当日ではありません。ここを1日間違えると請求できなくなります。

④ 申請から入金まで

日本年金機構の障害年金ガイドでは、年金証書は請求書の提出から3か月程度で届き、証書が届いてから約1〜2か月後に振込が始まるとしています。提出から初回入金までおおむね4〜5か月で、遺族年金より長くかかります。

よくある間違い

初診日が証明できないカルテの廃棄や医療機関の廃業で最も多いつまずきです。日本年金機構は代替手続きを公表しており、20歳以降に初診日がある場合は第三者証明2通と参考資料(診察券・入院記録・領収書・身体障害者手帳など)、または初診日ごろに受診した医療機関の医療従事者による第三者証明1通で対応できます。「受診状況等証明書が添付できない申立書」を使います。
保険料納付要件の判定時点を誤解する納付要件は「初診日の前日時点」で、初診日のある月の前々月までの期間で判定します。初診日の後に慌てて未納分を納めても納付要件には算入されません。
診断書の現症日がずれている障害認定日による請求では「障害認定日より3か月以内の現症」の診断書が必要です。この期間から外れた診断書だと、遡及のない事後重症請求として扱われることがあります。
20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限を知らない昭和31年4月2日以後生まれの場合、前年の所得が479万4千円を超えると全額支給停止、376万1千円を超えると2分の1支給停止になります。停止期間は10月から翌年9月までです。

受けられなかったときに代わりに使える制度

  • 障害手当金 障害等級3級より軽い障害が残り、初診日から5年以内に治った場合に厚生年金から支給される一時金です。
  • 特別障害給付金 平成3年3月以前に任意加入対象だった学生や、昭和61年3月以前に被用者年金加入者の配偶者だった方で、任意加入せず障害基礎年金等を受けていない方が対象です。65歳到達前に請求します。窓口は市区町村役場です。
  • 労災保険の障害(補償)等給付 業務上・通勤による傷病で障害が残った場合です。所轄の労働基準監督署に請求します。時効は傷病が治った日の翌日から5年です。
  • 額改定請求・再請求 症状が悪化したときは額改定請求ができます。初診日の証明が後から整った場合の再請求も可能です。不支給や等級に不服なら、決定を知った日の翌日から3か月以内に審査請求できます。

一次資料で確認できなかった点

推測で埋めずに、確認できなかったことをそのまま書いています。 確認でき次第この欄を更新します。

  • 障害年金の標準処理期間(厚生労働省の通知は「3か月半以内」、社会保障審議会の資料は「3か月以内」としており、どちらが現行か確定できませんでした)
  • 診断書8種類それぞれの様式番号(日本年金機構の公開ページでは番号の表記が確認できませんでした)

出典(2026/09/02確認):障害厚生年金を受けられるとき(日本年金機構)/障害年金ガイド 令和8年度版(日本年金機構)/障害年金の初診日証明書類のご案内(日本年金機構)/20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等(日本年金機構)