出産手当金の計算シミュレーター
産前産後休業(産休)の期間に健康保険から支給される出産手当金を計算します。 出産が予定日からずれた場合の日数調整にも対応しています。
受給総額の目安 653,366円
出産手当金の計算方法
支給される1日あたりの金額は次の式で計算します。
支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3
端数処理の順序が決まっており、「÷30日」の結果は10円未満を四捨五入、 「×2/3」の結果は1円未満を四捨五入します。 たとえば標準報酬月額の平均が17万円なら、標準報酬日額は5,670円、支給日額は3,780円です。
健康保険の加入期間が12ヶ月に満たない場合は、 「加入期間の平均額」と「全被保険者の標準報酬月額の平均額」のうち低い方で計算されます。
支給される期間
出産日(実際の出産が予定日より後になった場合は出産予定日)以前42日から、 出産の翌日以後56日目までの範囲で、仕事を休んだ期間が対象です。 双子以上の多胎妊娠の場合、産前は98日に延びます。
予定日からずれた場合
出産が予定日より遅れた場合、遅れた日数分も産前の支給対象に加わります。 産前42日+遅れた日数+産後56日が支給日数になるため、 「遅れると損をする」ということはありません。
逆に予定日より早く生まれた場合は、起算点が実際の出産日になるため、 産前の日数がその分短くなります。産後の56日は変わりません。
標準報酬月額別の早見表(総額でいくらか)
「いくらもらえるのか」をまず総額で知りたい方向けの表です。 産休を予定どおり(産前42日+産後56日=98日)取った場合を基準にしています。 標準報酬月額は、給与明細や健康保険証の情報から分かります (残業代や通勤手当も含めた額で決まるので、基本給とは一致しません)。
| 標準報酬月額の平均 | 1日あたり | 98日(予定日どおり) | 105日(7日遅れ) | 154日(双子以上) |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 4,447円 | 435,806円 | 466,935円 | 684,838円 |
| 24万円 | 5,333円 | 522,634円 | 559,965円 | 821,282円 |
| 28万円 | 6,220円 | 609,560円 | 653,100円 | 957,880円 |
| 32万円 | 7,113円 | 697,074円 | 746,865円 | 1,095,402円 |
| 36万円 | 8,000円 | 784,000円 | 840,000円 | 1,232,000円 |
| 40万円 | 8,887円 | 870,926円 | 933,135円 | 1,368,598円 |
| 44万円 | 9,780円 | 958,440円 | 1,026,900円 | 1,506,120円 |
| 50万円 | 11,113円 | 1,089,074円 | 1,166,865円 | 1,711,402円 |
| 56万円 | 12,447円 | 1,219,806円 | 1,306,935円 | 1,916,838円 |
おおよそ月給の3分の2が3か月ちょっと分、と覚えておくと見当がつきます。 標準報酬月額30万円前後の方なら、総額はおよそ65万〜70万円です。
3列目と4列目の差が、出産が予定日より遅れたときに増える分です。 7日遅れれば7日分そのまま増えます。産前の起算点が出産予定日で、 産後の56日は実際の出産日から数えるため、遅れた日数は丸ごと上乗せされる仕組みです。 「予定日を過ぎると損」ではありません。
この表は手入力ではなく、上のシミュレーターと同じ計算エンジンから生成しています。 産休中に給与が出る場合は減額・不支給の調整が入るので、その場合は上のツールで計算してください。
出産育児一時金との違い
よく混同されますが、この2つはまったく別の給付です。
- 出産手当金:産休で給与が出ない期間の所得補償。 金額は標準報酬月額に応じて変わり、被保険者本人のみが対象です。
- 出産育児一時金:出産費用に充てる定額給付。 1児につき50万円(産科医療補償制度に加入する医療機関で在胎22週以降に出産した場合)で、 扶養家族の出産でも支給されます(家族出産育児一時金)。
両方を受け取ることができるので、産休に入る前に両方の手続きを確認しておいてください。
給与が支払われる場合の調整
産休中に会社から給与が支払われる場合、その分が調整されます。 給与の日額が出産手当金の日額以上なら出産手当金は支給されず、下回る場合はその差額が支給されます。
傷病手当金との関係
出産手当金と傷病手当金は同時に受け取れません。出産手当金が優先されます。 ただし傷病手当金の日額の方が高い場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。
つわりや切迫早産で産休前に休職していた場合は、 産休に入るまでは傷病手当金、産休期間は出産手当金、という切り替わりになります。
退職する場合の注意点
退職しても、次の3つをすべて満たせば出産手当金を受け取り続けられます。
- 退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があること
- 退職日に出産手当金を受けているか、受けられる状態であること
- 退職日に出勤していないこと
3つ目が特に見落とされがちです。最終出社日に挨拶で出社してしまうと受給できなくなるため、 退職日と最終出社日は分けておくのが安全です。
なお任意継続被保険者は出産手当金の対象外です(在職中からの継続給付の要件を満たす場合を除く)。 退職後に任意継続を選んでも、それだけでは出産手当金は受け取れません。
よくある質問
パートやアルバイトでも受け取れますか
健康保険の被保険者であれば雇用形態は問いません。 ただし夫の扶養に入っている場合や国民健康保険に加入している場合は対象外です。
申請はいつしますか
産後56日が経過してから、まとめて申請するのが一般的です。 産前分と産後分を分けて申請することもできます。時効は2年です。
社会保険料は免除されますか
産休期間中も、申出により健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。 出産手当金は非課税なので、産休中の手取りは想像より減りません。
出典・根拠
最終更新:2026年9月25日/本ページの計算結果は概算です。 実際の支給額は加入する健康保険の決定によります。
健康保険の出産手当金の申請ガイド
計算して金額が分かっても、出す場所と期限を間違えると受け取れません。 ここは一次資料で確認した手続きの実務だけをまとめています。
① どこに出すか
加入している全国健康保険協会(協会けんぽ)の都道府県支部
勤務先が健康保険組合に加入している場合はその健康保険組合が窓口です。なお任意継続被保険者は出産手当金の対象外です(資格喪失後の継続給付の要件を満たす場合を除く)。
誰が出すか:申請書に事業主が記入する欄があるため、実務上は勤務先を経由します。郵送・窓口・電子申請のいずれでも提出できます。
② 何を持っていくか
- 申請期間中に事業所が変わって被保険者証の番号が変わった場合は健康保険加入状況等申告書
- 被保険者が死亡し相続人が申請する場合は戸籍謄本等
- マイナンバーを記載する場合は本人確認書類
全3ページで、1ページ目が本人記入、2ページ目が本人と医師・助産師の記入、3ページ目が事業主記入です。傷病手当金と違って医師欄は独立ページではありません。複数回に分けて申請する場合、初回が出産後で出産日が確認できていれば2回目以降の医師・助産師の証明は省略できますが、事業主の証明は毎回必要です。
③ いつまでに出すか
出産のため労務に服さなかった日ごとに、その翌日から2年です。
傷病手当金と同じく、産前42日・産後56日の各日について別々に時効が進みます。産前・産後をまとめて後から申請しようとすると、産前の分だけ先に消滅していることがあります。
出産育児一時金は起算日が違い、出産日の翌日から2年です。
④ 申請から入金まで
協会けんぽの広報資材では、不備がない場合およそ2週間程度としています。支部の案内も申請書の到着から2週間程度で共通しています。不備があれば返戻となり、再受付からまた同じ期間がかかります。
よくある間違い
| 退職日に出勤して継続給付が受けられなくなる | 協会けんぽは「退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の出産手当金はお支払いできません」と明記しています。産前休業に入った後に退職日を迎える形にし、退職日は出勤しないでください。 |
|---|---|
| 申請期間の終期を将来の日付で書いてしまう | 申請期間の終期は提出日以前の日付でなければなりません。産前分を先に出すなら「出産日まで」、産後分は産後56日目が過ぎてから提出します。事業主の証明日も申請期間の終期以降である必要があります。 |
| 2回目以降の申請で事業主証明を省いてしまう | 省略できるのは医師・助産師の証明だけです(かつ初回が出産後で出産日が確認できる場合)。事業主の証明は毎回必要です。 |
| 出産が予定日より遅れた分を計算に入れ忘れる | 出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間も支給の対象になります。産前が42日を超えることがあります。当ツールは予定日と実際の出産日を別々に入力できます。 |
受けられなかったときに代わりに使える制度
- 出産育児一時金 出産費用に対する一時金で、出産手当金とは別の給付です。子ども1人につき50万円で、双子なら2人分です。
- 出産費貸付制度 出産手当金が入るまでの資金繰りが厳しい場合、出産育児一時金の8割相当額を限度に無利子で貸付を受けられます。出産予定日まで1か月以内の方、または妊娠4か月(85日)以上で医療機関等への支払いが必要な方が対象です。
- 育児休業給付金 産後休業(産後56日)が明けた後の育児休業期間については、雇用保険の育児休業給付金が対象になります。
一次資料で確認できなかった点
推測で埋めずに、確認できなかったことをそのまま書いています。 確認でき次第この欄を更新します。
- 出産手当金についての「受付から◯営業日」という協会けんぽ本部の公式な数値(10営業日以内という記載は傷病手当金のFAQのものです)
出典(2026/09/02確認):出産手当金(協会けんぽ)/健康保険出産手当金支給申請書(協会けんぽ)/出産手当金支給申請書の記入のポイント(協会けんぽ)/出産費貸付制度(協会けんぽ)